U1PRO究極のサルベージ
目視による切り出しは暗号解読の醍醐味

  作業No.2M031
症状 今まで使っていたFDが読み出せなくなった。
リング状の傷あり。
NDDによる鑑定結果:
・ブートレコードプログラム無効、媒体記述子バイト無効
2つのFATの不一致
・損傷したフォルダ\C:にアクセスできないファイル64個
・ルートディレクトリのエラー(無効な日付、タイムスタンプ、・ファイル名のあるエントリ、無効なエントリ)

・使用状況テーブルに無効なクラスターチェーン、
・ファイルに割り当てエラー、
・エントリにクロスリンク、
・ロストチェーンにロストクラスタ
以上を修復すると、ローレベルフォーマットが必要なFDができるか,(不良部位をパッチしてからおこなうと)ファイルが数十できるが、開始位置が狂っていて全然役に立たない。
U1PROの文書リストファイルUx4file.jwshは見当たらない。
内容がそれらしいファイルもない。
対応  詳細情報
1. MCでバックアップを取る。@
MS-DOS720KBフォーマット直後のFDを用意する。A
@の不良トラックをAでpatchする。@’
2DD/720KB/MS-DOSフォーマット
トラック01-1(セクタ27〜35)シークエラー
トラック1F-1(セクタ572)フォーマット不正

2. 1ファイルで720KBFDいっぱいになるような空白テキストファイルをハードディスクに作りAに複写する。A’
A’の00-0トラックをMCで@’に上書きする。@”
MIFESで@”を開く。データは全てバイナリーで、文書リストの途中からファイルが始まっている。ファイル末尾にある^@(空白)を削除して有用データ部分をハードディスクに保存する。@”’
@”’のデータ部分をスクロールしながらよく観察すると、文書ファイルの開始パターンの特徴がみえてくる。
例外はあるが、^Bか^Aで始まり、数文字後にカナ1文字又は|がきて、3行くらいのヘッダーが終わると、FFF・・・・の帯があり、本文が始まるようである。
文書の終わりは^H&^Hや^Pが多く、次の文書との境目は^@^@^@^@で埋められていることもあるし、直接次のデータと接している場合もある。
文書ファイル開始の典型的パターン
 ^A^@^A^A|^A^A^@^@^@^A^@
 ^B^@^A^Aカ^@^@^@^@^A^A^@
 ^@^@)^Aメ^@^@^@^@^@^A^@
3. @"'から文書単位の切り出し作業をする。ファイル名はJ000.juxから連番にして、HDに保存していく。'
全て切り出す。@””
(注:切り出しはMifesなどのバイナリーエディターですること。秀丸では^@が消えてしまう)
4. RTCのディスク操作でU1PRO 2DD文書FDを1枚初期化する。B
空白30行位のテキストファイルを必要な数作成し、RTCでU1PRO文書に変換する。B’
(今回の作業では重要ではないが、B’FDの00-0トラックを@’にpatchすると、元の文書リストが復元する。)
5. Windowsの基本操作でB’の中のJ0XX.juxファイルを全て削除し、そこへ@””のJ0XX.juxファイルを複写する。
6. RTCでU1PRO文書として開くかどうかを確認し、開かない場合は切り出し位置を微調整してみる。開いたら、内容に応じて文書名をつけなおす。 切り出し位置が間違っていると、単に開かない場合とRTCやWindowsがクラッシュする場合があるが、何度でもリスタートして試行錯誤する。
使ったツール
MC:Magic Copy, NDD:Norton Disk Doctor, RTC:Rich Text Conveter, Mifes/ PC9801UV,PC9821Xa13(Windows95)

半分初期化してしまった場合エクセル&ワードの修復実績一覧表修復ミニ知識集修復Q&A修復のTOP全体のOP